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海外ツアーに参加するのはこれで3度目。そして「再び」のブラジルツアー。帰国してひと月が経とうとしているが、今も鮮明に残るひのき屋メンバーとの2週間は「生な記憶」である。その常に興奮状態で過ごしていた「記憶」の一端をお伝えできればと思う。

 

 

 今回の特徴は人々の“熱” であったのではと思う。ひのき屋を呼んでくださったポルトアレグレ出張駐在官事務所の木村元はじめ氏をはじめ、次々に起きるトラブルに見事に対処してくれた同事務所のあやこさん。行く先々の街で出会った日系の方々、現地の人々を始め、出会いのすべてが“熱い” のである。

 

人々に熱があるということは、いつも以上にひのき屋の演奏にも熱があるわけで、ブラジル6都市7公演の会場は常にひのき屋のエネルギーに包み込まれていたが、特にどの会場が、ということではなく、すべての会場が一番!なのである。

 

ではその反応はというと、ひのき屋の「聞かせて踊らす」楽曲に対して、思いのほか「お行儀の良い」楽しみ方をしようとしているなという感想を持った。それは今回、劇場ツアーということもあり、演劇鑑賞やクラッシックのコンサートに来るような、かしこまった感じでライブ会場に集まったからだと推測する。日本の音楽家の演奏を皆、しっかりと聞いて楽しむという雰囲気である。

 

しかし、いざライブの幕が開き、数曲演奏したとたん、予想は裏切られるのである。しっとり聞かせ、ノリの良い曲で酔わせ、全員に手でリズムをとらせ、歌わせ躍らせ、強烈な余韻を残しライブは終了する。その良い意味で「想像と違う」ひのき屋の楽曲と観客の反応にボクはブラジルでの成功を感じ、シャッターを切った。

 

楽曲だけではない。ひのき屋を知り尽くした照明と音響がそれを後押しし、ライブ会場の全てがひのき屋劇場と化す。常に演奏の終了時には割れんばかりの拍手と喝采が起こり、「毎回、余韻にやられる」。それは、ボクだけの感想ではなかったであろう。きっと演奏者が一番強く感じていたに違いない。前回より2年をかけて円熟させてきた楽曲のすべてと、すべての公演において。

 

皆、やはりプロである。演奏を繰り返していると回を重ねるごとに“うま味” が増していく。常にうま味が増すのがひのき屋の音楽である。それゆえにカメラを構えているボクも、楽曲や立ち位置の突然の変更に度肝を抜かれる事が度々あった。「ひのき屋ライブは常に新しい」。これが、ひのき屋へのボクのイメージなのだが、今回の7公演でそれを見事にやってのけた……。こんなライブを味わえて「ブラジルのお客さんは幸せだな」というのが、率直な感想である。

 

今回のツアーは、先の木村氏の下、リオグランデドスル州、政府文化局やサンタカタリナ文化財団、上演する各市の後援で実現したものだ。木村氏の“熱” が皆に伝わり、日系の方々をはじめ、現地ではとにかく熱く迎えられた。行く先々で親切にしていただき、おいしい食事とお酒を味わい、日系の方々の「移住の際の苦労話」に涙もした。手料理を味わい、旨いお漬物と塩辛を頂いたり……なんだか食べた話ばかりですね……。

 

 

 

 

最後にツアー中のトラブルをいくつか披露したい。
★ブラジルに到着後、空港でいきなり楽器が紛失!.その日の夜には無事、ホテルに届きました。
★ボクの枕元に「お化け」が出た!.これは直接メンバーに関係ないので、出たとだけ書きます。でもホントです。
★演奏中、楽屋泥棒にあった!.幸い盗品のほとんどは戻ってきましたが。

ひのき屋はさらにパワーアップしたように感じます。それは、7公演中、常に感じていた感想です。きっと、皆様にも感じてもらえるライブになると確信します。

ボクも次のライブで会うのが楽しみだ。今度はどれだけ「新しい」のだろうか?いつまでも新しいひのき屋を撮らなきゃいけないな……。

 

 

 


リオグランデドスル州日本人移住50周年記念「ひのき屋・ブラジル劇場ツアー2006」の軌跡

  • 8/19・20 ポルトアレグレ:ガゾメトロ文化センター
  • 8/21 ペロッタス:セッテデアブリル劇場
  • 8/22 リオグランデ:リオグランデ市立劇場
  • 8/24 サンタマリア:トレーゼデマイオ劇場
  • 8/25 カシアスドスル:カシアスドスル市立劇場
  • 8/27 サンジョゼ:サンジョゼ市立劇場

【主催】
リオグランデドスル州政府/ポルトアレグレ出張駐在官事務所(旧領事館) ほか
【後援】
リオグランデドスル州/リオグランデドスル州/政府文化局/ペロッタス市/リオグランデ市/サンタマリア市/サンタカタリナ文化財団 ほか

2006年のリオグランデドスル州日本人移住50周年を 記念し、ひのき屋ライブを各都市劇場で上演。各会場間計3千kmに渡る大移動を決行し、のべ4千人を超える人々がひのき屋と出会い、演奏で時を共にしました。

 

※本記事は2006年9月25日発行の「ひのきばやし vol.48」からの掲載になります。

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エモトヒデユキ
1972年栗山町生まれ。93年北海道デザイナー専門学院写真科卒業後、株式会社サンセブン・橋本タミオ氏に師事。98年に独立、江本秀幸写真事務所設立。2001年に合資会社グレアトーン設立。04年写真家宣言。現在に至る。有限会社グレアトーン代表取締役。札幌若手写真家集団UNITS主宰。札幌デジタル専門学校非常勤講師。JPS・社団法人日本写真家協会会員。

 

 

プラタナスの樹
プラタナスの樹
『プラタナスの樹』(文・原子禅、写真・江本秀幸、監修・ひのき屋)は、ひのき屋の活動を1冊にまとめた本です。原子禅(代表作・『旭山動物園のつくり方』)の入念な取材と、江本秀幸(日本写真家協会会員)の美しい写真により、ドキュメンタリータッチで描かれています。具体的には、1998年の結成前夜から、海外における公演活動、そして「はこだて国際民俗芸術祭(http://wmdf.org)」を企画するまでに至った経緯が記されています 。